2015年3月5日木曜日

リーダーの借りについて

 今日の午後は,来年度の卒業研究のために研究室に配属された学生5名と個別に面談しました.自分が取り組みたい研究内容を自分で考え,資料を用意して説明するように申し渡していました.思いつかなければ,3月で退室する卒研生のテーマを引き継いでもよいが,必ず新しい取り組みを加えることとしていました.これは,私が教員になって以来,初めての試みです.卒研生に対してハードルが高過ぎるのではないかと危惧する声があるようでしたが,信じられぬと嘆くよりも,人を信じて傷ついた方がいいですから.

 結果は,「目標もプロセスも問題ないから,やってみよう」 という学生が2名,「目的はいいけど,プロセスをもう少し考えてみよう」 という学生が2名,「もう一度,考えてみよう!」 という学生が1名となりました.イノベーションと改善,それぞれに該当するアイデアが,バランスよく提案されたと思います.以前から私がやりたいと思っていたことに誘導されたような感もありましたが(笑),みんな,よく考えていると思いました.GOが出なかった学生については,来週の月曜日に再面談となりましたが,今後の展開が楽しみです.

 昨日,読了した P.F.ドラッカーの 「非営利組織の経営」,第Ⅰ部の第4章 「リーダーの責任|マックス・ドプリーとの対話」 の内容が印象的でした.「リーダーの借り」 という,ちょっと変わった視点です.

 いろいろな人に借りがあるという認識からスタートしなければならない。組織のリーダーは、顧客、学生、患者などあらゆる種類の人たちに借りがある。教授団や従業員やボランティアなど、ついて来てくれる人たちに借りがある。
 その借りとは、人がそれぞれの可能性を実現するとともに、そこで働く目的を実現することに、手を貸さなければならないということである。

という内容でしたが,これは研究室の学生に対する私の気持ちに近いと思いました.彼らには,私の興味に力を貸してもらっているという借りがある.その借りを返すために,研究という活動を通じて,彼らが大学に来た目的の実現に手を貸さなければならないと考えています.バランスが非常に難しいと理解しています.そのためにも,コミュニケーションを取らないといけません.

 今日は良い一日でした.明日も良い一日でありますよう.

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