2018年1月9日火曜日

「七つの会議」を読む

 池井戸潤氏の「日本の今、企業の正体をあぶり出す、大ベストセラーとなった衝撃のクライム・ノベル。」,「七つの会議」 の文庫本を週末に読了していました.

 池井戸潤さんの著作は好きなものの一つになりましたが,慣れてしまうと半沢直樹シリーズでは物足りなさを感じるようになりました.そんな中で,久しぶりに夢中になって読み続けた作品でした.「空飛ぶタイヤ」「下町ロケット」,この人の作品は銀行の話でない方が面白いと思います.元銀行員ということで,銀行が舞台の作品では詳しすぎるというか難しく感じることが多々あります.銀行から距離をおいた方が,読者のレベルに合うのではないでしょうか.私が銀行のことを知らなさすぎるということなのかもしれませんが...

 主題は 「捏造」 を発端とした 「リコール隠し」 ということで,捏造では昨年話題になった鉄鋼メーカー,リコール隠しでは 「空飛ぶタイヤ」 を連想しました.「捏造」 は取引相手を騙し,「リコール隠し」 は顧客を裏切る.どちらも許されることではありませんが,何だかやるせない思いがしました.お互いに無理のない持続可能な関係が築けないものなのでしょうか.こんなことを言っていると,リスクを取ることなくのうのうとしていられる大学人の戯言と言われてしまうかもしれません.

 色々と考えさせられる作品でした.なんとなく 「空飛ぶタイヤ」 を復習したくなりました.また池井戸潤の世界に没入する期間に突入したようです.

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