2008年12月7日日曜日

アジアと欧米の家族について

 今日の朝,TBSのサンデーモーニングの「風を読む」は,振り込め詐欺に関する話題でした.その中で,家族の問題に対してお金を振り込むという行為は欧米では理解されず,振り込め詐欺のような問題もなく,このような事件は日本,中国,韓国などのアジアの国々特有のものだという話がありました.以前,日本で問題になっている少年犯罪に対して,容疑者の親が出てきて取材を受け,謝罪まですることを疑問視するような記事をヨーロッパの新聞が掲載しているというニュースを聞いたことがあります.欧米では成人すれば自分の子供も一個人として扱うということです.
 私は2001年9月11日の同時多発テロのとき,父親の定年を慰労するために家族でハワイに滞在していて,帰国の目処がつくまで5日程の延泊を余儀なくされたことがあります.ワイキキのホテルに滞在しているとき,海の近くの公園にアメリカ人の若者が何人も野宿していました.話をしてみたところ,帰りの飛行機代を確保するためにホテル代を節約しているということでした.「滞在費ぐらい親に入金してもらえないのか」と言うと,「そんなことしてくれるわけないだろう」と言われました.「日本の親はそんなこと言わない」と言ったら,「日本人がうらやましい」と皮肉交じりに言われました.自分の都合で旅行したのだから,親といえども関知しないということです.その時は欧米の徹底した自己責任の考え方に感心したことを覚えています.
 しかし,今度の振り込め詐欺の件については,アジアの家族観に共感できます.家族が困っていることを知って,何もしないでいられるものでしょうか.確かにだまされたことは問題ですが,問題はこのような家族観を逆手にとってお金を巻き上げる卑劣な犯罪者です.このような事件が続いて,アジアの家族観がなくならないか心配です.

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