2012年8月26日日曜日

人を叱るということ(2回目らしい)

 飲食店で,とんでもなく不備のある料理が出てきた時,皆さんだったらどうしますか?

① 担当者を呼び出し,強い口調で怒りを表しながら,責任を追求する.

② 担当者を呼び出し,不備の内容と不満の気持ちを伝え,反応を見る.

③ 何もしない.

 私は,②が一番良い反応だろうと思うのですが,共感していただけると幸いです.問題は,①と③のどちらが良いかということですが,私は,③が一番最悪で,残酷な反応だと思っています.

 ③を選択する人は,もしかすると「人を許している」と思っているのかもしれません.しかし,「何もしない」ということは「無」以外の何ものでもなく,許していることにもなりません.許すというのは,間違いを犯した相手の反応を見てからの行動ではないでしょうか.

 許したつもりで何もしなかった人は,結局,当人のことをなんとも思っていないのです.でも,まったくの他人に対しては,仕方のないことだと思います.店でクレームを言う人も,店員や店のことを考えているのではなく,代金を払っているから黙っていられないだけなのかも知れません.
 それでも,今後のことを考えれば,致命的なことになる前に,問題点を指摘された方がよっぽどマシです.客のクレームは,どのようなものであれ,ありがたいものです.まして,②のような反応してくれる客は,店にとって大変貴重だと思います.

 「彼を裁くのは,私ではないよ」 という言葉を聞いたことがあります.恐ろしいことばだと思いますが,このような考えで,敢えて人を叱らないという人は,かなり多いのではないでしょうか.「叱られなくなったら,上下関係は終わり」と言いますが,本当にそのとおりだと思います.

 この歳になっても,私に色々と指摘してくれる人が何人かいます.そんなことを私に言っても,その人には何の得もありません.自分の得にならないことを,敢えて口にしてくれるだけでもありがたいことです.
 私は,人を冷静に叱ることが苦手なのですが,気がついたことは黙っていられない性分です.何も言わない人よりましだと思っていただけると幸いです.

0 件のコメント: