大学の教員は 「教育者」 だと思っています.今年の夏に 「甲子園への遺言」 という本を読みました.副題に 「伝説の打撃コーチ 高畠導宏の生涯」 とありますが,あるプロ野球のコーチが高校の教員になるという話です.今年の春に見ていたNHKの土曜ドラマの原作ということで買ってみたのですが,教員になるまでの話が長すぎて,ドラマのときのような感動はあまりありませんでした.しかし,この本の扉の部分に書いてある カール・ヒルティの 「眠られぬ夜のために」 から抜粋された一節は,私にとって教育者としての指針を示してくれるものとなりました.
あなたは絶えず,そしてできるだけ多く,種を蒔かなければならない.
それがあなたの生涯の仕事である.
すべての種が芽を出すとは限らない.といって,すべての種が,石ばかりの地面に落ちて無駄になるわけではない.
試してみなさい.試してみること,着手することによってのみ,最も偉大な事柄も成就するものだ.
以降,この扉のコピーを机の前に貼って,がんばってきたつもりです.最近,無駄になる種を気にすることが多くなりました.講義や実験で蒔いた種は,いくつ芽を出してくれるのでしょうか.研究室に蒔いた種は,すべて芽を出してくれるのでしょうか.蒔いた先から種を踏みにじるような人もいます.残酷なことをするものです.教育者は大変な仕事だと実感しています.
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